さよならなんて知らない。

 

「明日、帰らなきゃならない。」

 

そう唐突に告げた言葉が頭を重く駆け抜けていった。

 

「そ、っか。・・・じゃあ、な。ヨハン」

「あ、十代っ!!」

 

気付いた時には走り出していた。

レッド寮でもない、どこか見つからない場所。一人になれる場所へ向かって、

 

「十代っ!!」

 

ヨハンが後ろから呼び止めてるのが痛いほどよく分かった。

でもそれだからこそ、逃げなくちゃならない。

これからはヨハンがいない。一人じゃ何もできないというのが自覚させられそうで怖かった。

 

「・・・、はぁ・・・。」

無我夢中で走っていると森の奥まで来ていた。

なんで自分があそこで逃げ出したのか今となっては分からない。

 

なぜ笑顔で別れを言わなかったのか、

ヨハンが好きだと言ってくれた笑顔で

 

「・・・っ!」

違う。

見送りたくないわけじゃない。

もう、一人になりたくない、

 

「もう・・・一人は嫌だ・・・。嫌なんだよ・・・っ」

 

「・・・十代、」

「・・・っ、・・・ヨハン」

「やっと見つけた・・・探したんだぞ?」

 

「来るなっ!!!」

ヨハンが呆然と目を丸くする。

だがその一瞬の表情を隠し見たことも無いような冷たい目で歩み寄るのをやめない。

 

「・・・嫌だね。」

「・・・っ、」

「なあ、十代・・・笑って。」

「・・・へ?」

「前にも言ったろ?俺は、十代の明るい笑顔が好きだってな。」

 

冷たい目をしていたヨハンの表情が明るくなってる。

その雰陰気につられて自然と笑みがこぼれた。

 

「大丈夫、十代をずっと一人にはしない。」

「え・・・でも帰るって・・・」

「ほんの少しの間だ。終わったら必ず迎えに来る。・・・それまで、待っててもらえるか?」

「迎えに・・・来るまで・・・。待てる、待てるから・・・!ずっと、待ってるから!」

「ありがとう。必ずだ、約束する。」

「明日は・・・見送らないからな」

「それでもいい・・・。いまこうして約束できたんだ・・・ずっと繋がってる・・・。」

「ヨハン・・・っ。大好き、ずっと大好きだから・・」

「当たり前だろ十代。俺も・・・ずっと、愛してる・・・」

 

 

翌日、ヨハンたちが乗った船が出港した。

見送りには行かなかったけど後悔はしていない。

 

遠く離れた心も

約束というなの糸で繋がってるから。

 

 

 

 

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・・・どんな話なんだろーね。←