「あんたってほんっと腰細いわよねぇ~」
すべてはこの一言で始まった。
王様と白髪の君
それは、今日の宿での出来事だった。
ほんの些細な事、でもそれが僕にとっては大惨事だったんだ。
「え・・・?」
イリアの発言が上手く聞き取れず、それでいて何か聞いてはいけないような
何かを感じた僕は一応のために疑問形で返事をした。
「だぁから!あんたが女みたいって事よっ!!」
実際、かなりのショックをうけたのだが
「ぼくは男だよっ!」
と、泣きそうになりながらも答えた。
「ふん、まぁいいわ。ぁ、そうそう!」
と、何か思い出したかのように言った。
「後でアンジュとあたしの部屋に来なさいよ!絶対!必ず!」
言われた僕は素直に従い、(じゃないと後が怖い)
自分の部屋に向かった。
夜、僕はイリアに言われていたことをすっかり忘れて
お風呂へ入り、宿屋に備えてある寝間着に着替えて机に向かっている。
旅の野宿の間ずっと読めなかった本を読みたかったため、
もぅ何時間にもなるだろう。ずっと机に向かっていた。
そのとき、廊下から足音が聞こえる・・・。
すごい音に、ドアの方へ目線を変える。そこには
「おたんこルカ!!なぁにやってんのよ!後で部屋に来いっていったでしょ!?」
すごい形相をしたイリアが立っていた。
ハッキリ言うとー・・・怖い。
「え・・・?あ!!・・・ご、ごめんイリア・・・すっかり忘れて・・・。」
「あんたねぇ、人との約束も守れないの!?ホラ、早く来なさいよッ!!」
「うぅ・・・。」
怒らせた・・・確実に。
これで嫌われたらー・・・。そう考えるのが一番怖かった。
一つ扉を通りすぎて、その隣の扉を開ける。
「やっと来たのね、待ちくたびれたわ。」
呆れた顔をしたアンジュがベッドの上で聖書らしき本を読んでいる。
「でもまぁ来てくれたのね。良かった。」
「忘れてた罰ゲームとして」
さっと血の気が下がる。嫌な予感・・・いつものパターン・・・。
「女装してレグヌムの街一周・・・なんてどうかしら♪」
予感的中。瞬発的に逃げようと試みる。だが、
「どこいくのよ、おたんこルカ」
「ひっ!あ・・・あの、ちょっと気分晴らしに散歩とか・・・」
「それはこれを着てからでしょう?ぅふふふ」
「ぅわぁぁぁっ!!いやだぁぁぁあぁ!!!」
抵抗しても二人がかりでは勝ち目がない。
でも目の前にあるピンクのふりフリを着るよりは・・・
「僕、男だからそんなの着ても気持ち悪いだけだよっ!」
少しの抵抗の言葉を発してみる。
「こんなに女みたいな顔して、なぁに言ってんのよっ!!」
「細い腰・・・羨ましいわ・・・。」
と効果ナシ。
「ひっ!ぃ・・・いやぁぁあぁ!!!」
30分後
「完璧な仕上がりね♪」
「あんたもぅ女でいいんじゃないの?」
「うぅ・・・酷いよ・・・イリア・・アンジュ・・・。」
早く脱ぎたいと訴えれば、確実に脱がせてもらえないだろう。
しょうがなく、さっさと街に出て、早々に戻ってきてしまおう・・・。
そう思って外へ出た。